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古典芸能研究センターは、行吉学園発祥の地である三宮キャンパス(神戸市中央区)にあります。
能楽資料の橘文庫、民俗芸能資料の喜多文庫をはじめ、古典芸能や民俗芸能に関する書籍・資料を幅広く備えた研究施設です。芸能に関連する様々な分野の資料を収集しており、個別の分野はもちろん、より総合的な調査・研究の拠点となっています。
なお、所蔵する資料は、学生・社会人を問わずどなたにもご利用いただけます。

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最終更新日:2024年4月4日

4月の資料

古典芸能研究センター所蔵の様々な資料の中から、毎月1点紹介します。



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初日《翁》

『大谷派大遠忌式能記念帖』
(おおたにはだいおんき しきのうきねんじょう)

写真帖1冊 大谷派真宗謝徳会編
明治44年(1911)7月芸艸堂刊

 浄土真宗の東西両本願寺では、分派後間もない慶長16年(1611)以来、50年に1度の一大行事として宗祖親鸞聖人の大遠忌法要が営まれてきた。江戸時代には大遠忌に伴い能を上演することが慣習化していたとみられるが、その伝統は近代以降も続き、明治時代に東本願寺において初めて行われた親鸞聖人650回大遠忌法要では、大師堂(御影堂)前の能舞台において、明治44年5月1日・3日の2日間にわたり盛大な式能が催された。
 今回紹介する冊子は、その時の様子を撮影した写真帖であり、舞台・演者・楽屋の白黒写真全74点を収録する。その他、写真帖には2日間の番組も収められ、それによると、両日とも翁付き9番の能の間に、狂言7番と一調1番が演じられる(初日はさらに囃子1番が加わる)、かなり番数の多い盛り沢山な内容であった。さらに両日とも、《翁》には狂言風流の《松竹》、脇能の冒頭には開口が付き、式能としても極めて大がかりな構成であったことが知られる。また、240名余の出演者に目を向けると、シテ方は観世清久・梅若六郎・宝生九郎・桜間伴馬・金剛右京・喜多六平太ら当時の五流の名手が名を連ね、狂言方も京都大蔵流の茂山千五郎家・同忠三郎家の役者を中心に、名古屋和泉流の井上菊次郎・伊勢門水らの出演も確認できる。
 近代化が進む日本の中で大きな変革を余儀なくされた両本願寺であるが、盛大に開催された東本願寺の650回大遠忌能の様子からは、伝統をさらに発展させ寺勢を盛り上げようとする強い意思が感じられる。なお、国立国会図書館デジタルコレクションより全頁の閲覧が可能である。


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