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志水文庫の大津絵と大原神社の絵馬「踊り子図」

2018年2月5日(月)~3月30日(金)
土・日・祝日休室
開室時間:午前10:00~午後5:00

 志水文庫の資料の中には、江戸時代の貴重な大津絵が数点あります。志水文庫の旧蔵者である信多純一先生は、近松門左衛門作の浄瑠璃『傾城反魂香』についての論考があり、その中で、文中に現れる大津絵の画題に言及、以後、大津絵に深い関心を寄せられてきました。そしてその集大成が、二〇〇九年に思文閣から出版された『祈りの文化―大津絵模様・絵馬模様』という著書になります。この本の中で、「藤娘のルーツ」として紹介されているのが、福知山市三和町にある大原神社の絵馬「踊り子図(愛宕参り)」です。
大津絵は、京都と近江の境である追分の地で、近世以来土産物として売られていた素朴な絵画です。その始まりについては、はっきりしたことが分かっていませんが、寛文元年(1661)刊の『似我蜂物語』に「大津あはた口の道にて売天神の御影をひつはり」とあるのが文献に現れる早い例となります。大津絵の画題は、宗教性の強いものと世俗的なものとがあります。よく知られている「藤娘」などは、後者の代表例でしょう。初期の大津絵は宗教的なもので、それが次第に世俗的なものへと変化していったと考えられています。以後、土産物として売られるだけではなく、大津絵の画題は近世の文化に様々な形で浸透していきます。特に演劇の世界では、『傾城反魂香』において近松が大津絵の創始者と仮託した浮世又平という人物が活躍する浄瑠璃・歌舞伎が作られ、大津絵の画題をモチーフにした歌舞伎舞踊が度々上演されます。近世後期になると大津絵そのものは廃れていくのですが、近代になると、民藝運動の柳宗悦が大津絵を「民画」と位置づけてその再評価を行います。また少なからぬ近代の画家たちが大津絵に関心を抱いていたようです。そして近年、大津絵は再び脚光を浴びつつあります。2017年12月、美術雑誌『美術フォーラム21』36号では、大津絵の特集が組まれ、大津絵に関する様々な知見が提示されました。
 こうした動きの中で、センターでも、志水文庫の大津絵と大津絵に関わるいくつかの演劇資料を組み合わせた展示を行います。あわせて、大原神社宮司の御厚意により、同神社所蔵の貴重な絵馬「踊り子図」も展示します。

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