ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 9 -ガンガ 伸子し、外食においては年齢階級が若くなるほどマイナスの効果が高まるなど、年齢階級によって世帯規模の効果に違いがあることも分かった。表5. 世帯規模の効果項 目世帯主の年齢階級(歳)25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-内食(素材) 0.0253 0.0257 0.0194 0.0216 0.0169 0.0146 0.0067 0.0148 0.0130 0.0110内食(簡便) 0.0201 0.0238 0.0170 0.0127 0.0122 0.0079 0.0077 0.0110 0.0000 0.0005中 食0.0079 0.0000 -0.0071 -0.0044 -0.0053 0.0041 0.0083 0.0000 0.0074 0.0050外 食-0.0758 -0.0719 -0.0522 -0.0504 -0.0392 -0.0395 -0.0294 -0.0289 -0.0246 -0.03065.まとめ近年進行している食の簡便化は、食料消費における中食や外食の拡大のみならず、内食においてもできるだけ調理の手間がかからない簡便性の高い食品へのシフトという現象にもあわられている。そこで、内食を素材と簡便化食品に区分して、それに、中食、外食、その他の食料を加え、世帯主の年齢階級別に支出シェアの比較を行った。さらに、世帯規模や有業人員の要因を取り入れたLA/AIDSモデルを推計した。その結果、以下のことが明らかになった。支出シェアの比較からは、年齢階級が高くなるほど内食(素材、簡便化食品)のシェアが高くなり、外食のシェアが低下していた。中食の支出シェアは年齢階級による違いはあまりみられなかった。いずれの年齢階級とも内食のうち素材食品と簡便食品は、ほぼ半々の割合であった。LA/AIDSモデルの推計結果からは、いずれの年齢階級においても、外食の所得弾力性は1を超えており、ぜいたく財的性質を示したが、内食(素材)、内食(簡便食品)、中食の所得弾力性は1より小さく、必需財的性質を示した。価格弾力性からは、70歳以上の世帯を除くすべての年齢階級において、中食と外食の間で代替関係を示し、30歳以上のすべての年齢階級において、内食(素材)と外食の間で補完関係が認められた。世帯規模の効果は、外食においてすべての年齢階級でマイナス(世帯規模が大きくなると外食を控える)の効果を示した。その効果は、年齢階級が若いほど大きくなっていた。有業人員の効果は、多くの年齢階級においてプラス(有業人員が増えると外食が多くなる)の効果を示した。以上のことから、食の簡便化は中食や外食の増加のみならず、内食においても非常に進行しているということが分かった。その結果、内食(素材、簡便化食品)と中食行動の違いがあいまいになり、外食行動における経済要因に対する反応のしかたや世帯規模や有業人員の効果が、内食や中食とは著しく異なる特徴を示すことになったのではないかと思われた。本研究は、科学研究費補助金(課題番号23500882)によって行った。研究の一部は、第38回(一社)日本家政学会関西支部研究発表会(2016)において発表した。引用文献1) 茂野隆一:食料消費における家事の外部化-需要体系による接近-,生活経済学研究,19,147-158(2004)2) 住本雅洋,草苅仁:食の外部化要因と生鮮野菜需要,農林業問題研究,175,207-211(2009)3) 谷顕子,草苅仁:家計の食料需要における嗜好および規模の効果-世帯主の年齢階級別データによる計測-,農林業問題研究,175,203-206(2009)