ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

-17 -神戸女子大学家政学部紀要,50,17-25,2017キュムラントの数値計算によるFrenkel-Kontorovaモデルの高温展開髙橋 和廣神戸女子大学 家政学部 家政学科High-Temperature Expansions of Frenkel-Kontorova Model Using aNumerical Analysis of CumulantsKazuhiro TAKAHASHIFaculty of Home EconomicsKobe Women’s University, Suma Kobe 654-8585AbstractHigh-temperature series expansions of the Frenkel-Kontorova (FK) model are investigated: Power seriesexpansions of Takahashi-Mannari-Ishii is extended to first eight order terms of cumulants. A numerical analysisof cumulants on FK model having the density ρ=2/3 is carried out. Free energy is obtained numerically in the firsteight order cumulants. The specific heat of FK model based on the expansions is discussed.Keywordshigh-temperature expansions, Frenkel-Kontorova model, one-dimensional superionic conductors, free energy,specific heat1 . はじめにFrenkel‐Kontorova(FK)モデルは、バネ(自然長a)でつながれた粒子が周期ポテンシャル(周期b)中にあるモデルである。バネによる相互作用と周期ポテンシャルから成るシンプルなモデルであるが、2つの周期が競合することで種々の興味ある振る舞いを示す。FKモデルは、種々の分野で用いられている。1), 2)ミスフィットのないFKモデル(a=b)としては、容易面を持つ一次元磁性体のモデルがあり、sin-Gordonモデルとして研究されている。3)一方、ミスフィットを有するFKモデル(a≠b)には、一次元超イオン導電体のモデルがあり、多くの研究がある。4)~8)摩擦のモデル9)にも用いられている。超イオン導電体は、結晶格子を構成する枠組みイオンと格子間を拡散する可動イオンからなる。一次元超イオン導電体で、可動イオン間の相互作用をバネで近似し、可動イオンが基盤の枠組みイオンから受ける外場を周期ポテンシャルで近似するとFKモデルとなる。高温展開は、磁性体の理論的研究において多くの研究があり、臨界現象の研究に寄与した。10)Scheider-Stoll3)はsin-Gordonモデルの統計力学の研究の中で、十分高温では周期ポテンシャルの影響は小さいとし、ミスフィットのないFKモデル(a=b)の高温展開を行い1次の補正項まで求めた。Takahashi-Mannari-Ishii8)は、高温展開の方法をさらに発展させ、FKモデル(a=b、a≠b)に適応し、ベキ級数展開およびベッセル関数展開を行い、自由エネルギーおよび比熱を6次のキュムラントまで解析的方法で求めた。一般に、高温展開の方法は、展開の次数が高いほど良い結果を与える。