ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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概要

神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 21-髙橋 和廣キュムラントの数値解析では、できるだけ小さいNについて多重和を計算し、効率よく粒子数Nに比例する項を求める方法を考える。ここでは、6次のキュムラントを例に、その計算方法と計算例を示す。最後に、2つのκに対し具体的な計算例を示し、6次のキュムラントの解析結果と比較し、誤差評価を行う。i)6次のキュムラントの多重和の計算①     についての和は、    を満たす条件付き和をとる。②     についての和は、6重の多重和を1つの和に書き換え計算する。(11) ただし、多重和中のΓpはそれぞれ式(10d)右辺の第1項、第2項中の各モーメント中のΓpである。また、第3項中の3つの2次のモーメントのΓ2を、Γ 21、Γ22、Γ 23と記している。w6 (m)は、多重和において、Γ6 =Γ4+Γ2 =Γ 21+Γ 22+Γ 23=mとなる項の個数である。つまり、6重の多重和の計算を、“重みw6 (m)”を用い、exp(-mκ)についての1つの和で計算する。この方法では、温度、κ、ごとに多重和を計算する必要はない。“重みw6 (m)”をコンピュータにより数値的に計算し保存しておき、自由エネルギーなどの温度、κ、を含む熱力学量は、式(11)により、mについての1つの和で計算する。実際の数値計算はFORTRANでプログラムを作成し計算した。ii)キュムラントのNに比例する項の数値解析p 次のモーメント、式( 9 )、の多重和の結果は、一般に、粒子数N に関数する整式Q p 0 ( N ) とQp1(N )exp(-κN )、Qp2(N )exp(-2κN ), …などの指数関数を含む項の和となる。κ>0だから、指数関数の項は、Nを増やしていくと、比較的早く0に収束する。そこで、Nの整式Qp0 (N )について考える。解析的計算から、6次のモーメントでは、Qp0 (N )は、Nについての3次の整式になることが分かる。つまり、Qp0 (N )=b63N3+b62N2+b61N+b60の形をしている。解析的に計算すると、6次キムラントの計算においてN3、N2の項は完全に消える。つまり、自由エネルギーはNに比例する示量変数であることを保証している。数値解析においては、この点にも注目する。粒子数Nを1ずつ増やし、(12) を計算する。つづいて、A6(N )の階差数列B6(N )を計算する。(13) B6(N )が徐々に一定値に近づいて行くことで、A6(N )には、N3、N2などの項は含まれていないことが確認できる。また、Nに依らない定数項は消え、6次キュムラントのNに比例する項が精度よく計算できる。これらの数値解析を基に、8次までのキュムラントを求め自由エネルギー、比熱を計算する。