ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

ページ
28/92

このページは 神戸女子大学家政学部紀要 第50巻 の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

-24 -キュムラントの数値計算によるFrenkel-Kontorovaモデルの高温展開で新しく計算した8次近似の結果は、4次近似と6次近似の間にあり、6次の近似に近い結果となっている。基盤の周期ポテンシャルの大きさ、U、を小さくとった、ρ=3/2、Us=0.10π2のときの比熱の温度依存性を図2に示す。図1の結果と比較すると、全体的に比熱の値が小さくなっている。また、各近似の結果を比較すると、4つの近似の結果が、比熱のピークの低温まで一致していることがわかる。Uが小さくなると、低次の近似まで良い結果を与えていることになる。5. まとめミスフィットを有するFKモデルの高温展開を行った。Takahashi-Mannari-Ishii8)の研究をさらに発展させ、ρ=3/2の系について、8次のキュムラントまで求めた。キュムラントの数値計算は、髙橋-萬成11)が、ρ=1の系において行った方法をρ=2/3系に拡張し、数値解析を行った。p次のキュムラントの多重和の計算を“重みwp(m)”を用い、1つの和に書き換え、式(11)で計算する。この方法は、自由エネルギーが示量変数であることに注目し、少ない粒子数Nの計算で、キュムラントのNに比例する項を効率よく求める数値解析である。計算例とし、6次のキュムラントについて計算し、解析的結果との比較で、誤算評価を行った。結果を表1に示している。κ=1.6の場合、N=11以上のNで相対誤差は、10-5程度である。高温ほど計算精度は良くなる。κ=3.1で、N=6以上のNで相対誤差は10-6~10-7程度になっている。本来は、熱力学的極限、N→∞、で求めるべき量が、少ない粒子数Nについての和で効率よく計算できる。N=20で計算したキュムラントを基に、系の自由エネルギー、および比熱の計算を行った。ρ=3/2、Us=0.16π2のときの比熱の温度依存性を計算し、結果を図1に示している。比熱のピークより高い十分高温では、4つの近似の結果とも一致し、2次近似でも良い結果を与えている。温度を下げると、低次の近似の結果が順に高次の近似の結果からずれていく。本研究で新しく計算した8次近似の結果は、4次近似と6次近似の間にある、6次の近似の方に近いことが分かった。8次の近似を新しく計算したことにより、高温展開の振る舞いが、より明らかになった。さらに、周期ポテンシャルの大きさUがより小さい系、ρ=3/2、Us=0.10π2について比熱の温度依存性を計算した。結果を図2に示している。図1(a)の結果と比較すると、比熱のピークより低温まで、4つの近似の結果が一致しており低次の近似が低温まで、より精度良く計算できることが分かる。参考文献1) O.M. Braun and Y.S. Kivshar: The Frenkel-Kontorova Model, (2004) ,Springer, Berlin.2) W. Selke: Spatially modulated structures in systems with competing interactions: In “Phase Transitions andCritical Phenomena” (C. Domb and J. L. Lebowitz, eds), Vol. 15, 1 ,(1992), Academic, London.0.9911.011.021.031 2 3 4 5 6 7 8Specific heat CV/kBNormarized temperature κU/μb2=0.102次まで4次まで6次まで8次まで図2  比熱の温度依存性, ρ=3/2. U/μb2 = 0.10.