ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 38 -栄養学を学ぶ女子大学生の居住形態と食習慣との関連Ⅳ.考 察栄養学を学ぶ女子大学生の居住形態と食習慣との関連性について検討した。朝食の欠食習慣のある者は独居者に多く,これはこれまでの多くの報告10-15)を追認する結果であった。また,間食の摂取習慣のある者は同居者に多かった。朝食,昼食,夕食の栄養バランスの良好な食事を摂っていた者は同居者に多かった。朝食の欠食習慣のある者は,独居者あるいは同居者に関わらず,朝食のみならず,昼食や夕食においても,栄養バランスの不良な食事を摂る傾向にある者が多かった。食事の栄養バランスは,朝食,昼食,及び夕食のいずれにおいても良好であると回答した者は同居者に多く,不良であると回答した者には独居者に多かった。同様なことは長幡ら11),吉岡ら13),関ら16)も報告している。そして,栄養バランスを改善できない理由として,「時間がない」「お金がかかる」という回答が多かったことが報告16)されている。独居者は食生活の全てを自らが準備して摂る必要があり,そのため栄養学を学んでいる学生であったとしても,主食・主菜・副菜を揃えた食事の準備には時間が足りないのかもしれない。また,そのような食事を摂るには経費もかかることから,独居者においては簡素な食事になる蓋然性が高く,結果的に栄養バランスの不良な食事になったものと考えている。長幡ら11)は朝食の欠食習慣の有無と朝食,昼食,夕食の主食・主菜・副菜を揃えた食事を摂る頻度との関連を検討したところ,自宅生,下宿生ともにこれらを揃えた朝食や昼食が週3日以下の者は,週4日以上の者と比較して,欠食習慣ありの割合が高かったことを報告している。これについては夕食においても同様な傾向を認めていた。今回の我々の居住形態別にみた朝食の欠食習慣の有無と朝食,昼食,夕食の栄養バランスとの関連においても(表3),長幡ら11)と同様に,独居者及び同居者とも栄養バランスの不良な食事を摂っていた者は,欠食習慣ありの者に多かった。これは,朝食の欠食習慣のある者は,独居者及び同居者に関わりなく,日頃より3食とも偏った食生活を送っている可能性があることを示唆している。しかし,偏った食生活に至った背景については,今回の検討からは明らかにすることはできない。この点については,長幡ら11)はサンプルサイズが小さかったことが影響している可能性があると述べるに留め,言及していない。また,今回の検討では,昼食や夕食の欠食習慣の有無と食事の栄養バランスにおいても,同居者において欠食習慣のある者は,昼食あるいは夕食の栄養バランスが不良な食事を摂っていた者に多かった。これらについても上述と同様に,今回の調査では明らかにできない。いずれにしても,以上の点に関しては今後の検討に期待したい。間食を毎日摂る習慣にある者はわずか2 0 %(47/235)であり,そのうちの多くは同居者であった。同居者は家族等との団らんを通して間食を摂っている可能性があるが,この点に関しても今後の更なる検討を待ちたい。本研究には以下のような限界がある。第1に,居住形態と食習慣のみに限定した調査を行ったが,生活習慣まで拡大した調査を行っていれば,さらに重要な知見が得られた可能性がある。第2に,食習慣については,食事内容(いわゆる,内食,中食,外食等)についての調査を行っておらず,この点についての調査も行うべきであった。第3に,アルバイトの有無が朝食の摂取に影響を及ぼしていることが報告11)されている。昨今では,多くの学生がアルバイトをしているため,特に深夜に及ぶアルバイトでは,夕食時間が遅くなったり,あるいは夜食を摂ったりすることが朝食欠食に繋がる可能性がある。このようなことから,アルバイトの有無についても調査すべきであった。このような限界はあるものの,本研究は栄養学を学ぶ女子大学生において,居住形態と食習慣との関連性を多少なりとも明らかにした点に意義があると考えている。