ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 46 -食物アレルギー児のための鶏卵,牛乳・乳製品,小麦を使用しない保育所の間食献立与栄養目標量6)を満たすことは困難であり,特にカルシウムとビタミンB2が不足していたことを報告している。牛乳・乳製品を使用せずに給与栄養目標量を満たした給食の提供が可能ならば,牛乳・乳製品アレルギー児は食物アレルギーを有さない児童と同じ給食を摂ることができる。これは,誤食の危険性を軽減できることや摂取栄養量の不足を心配する必要がないことを意味している。このような観点から,我々6)は牛乳・乳製品を使用せず,且つ給与栄養目標量を満たした保育所給食の作成を試み,サイクルメニューとして4週間分の給食献立を提案している。多くの保育所では,給食のうち間食時に牛乳がほぼ毎日提供されている3,4)。そのため,牛乳・乳製品アレルギー児にとっての間食では,牛乳の代替食の多くがお茶であることから3,4),牛乳からの摂取栄養量が不足している。その結果,上述したように,給食の給与栄養目標量を満たすことができない状態にある。保育所における食事の提供ガイドライン7)においては,間食は三度の食事では補いきれない栄養を補給する場であるとしているため,間食の献立作成においても,昼食と同様にエネルギー量や栄養素量を考慮した栄養管理を行う必要がある。このような観点から,保育所における牛乳・乳製品アレルギー児が他の児童と同じ献立の間食を摂ることのできる給与栄養目標量を満たした献立の作成を試みることにした。加えて,食物アレルギーの主要な原因食物である鶏卵,牛乳・乳製品,小麦の3食物を共に使用しない間食の献立作成が可能ならば,牛乳・乳製品アレルギー児のみならず,鶏卵や小麦アレルギー児への対応も容易となる。そこで今回は,給与栄養目標量を満たした,鶏卵,牛乳・乳製品,小麦の3食物を使用しない間食献立を作成することを目的とした。Ⅱ.方 法1. 保育所給食の対象児童保育所に在籍する3-5歳児を対象とした。1-2歳児に対する給食は,一般的に3-5歳児用の給食の提供量を少なくしたものである。2. 間食の給与栄養目標量と耐容上限量の算定検討項目はエネルギー,たんぱく質,脂質,ビタミンA,ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンC,カルシウム,鉄,ナトリウム(食塩),カリウム,及び食物繊維8)に加えて炭水化物とした。また,耐容上限量が設定されている栄養素9)についても算定した。保育所児童に対する食事提供の計画と評価にあたっては,児童福祉施設における食事の提供ガイド10)に従った。まず,1日あたりのエネルギー量及び栄養素量を日本人の食事摂取基準2015年版9)と既報3)に従って求めた。次いで,間食の給与栄養目標量は食事の提供ガイド10)に従い,1日全体の10-20%を目安に算定した。耐容上限量についても同様に算定した。3. 間食献立の作成と試作給与栄養目標量及び耐容上限量を満たした,鶏卵,牛乳・乳製品,小麦を使用しない保育所給食のうち,保育所児童の味覚に合うという観点からの間食の献立を4週間(24日分)のサイクルメニューで作成した。献立作成に当たって主として参考にした書籍11-13)やインターネット上のサイト14-17)は,文献として提示した。献立に使用する食物は,日本食品標準成分表201018)に掲載されている通常の発注が可能なものを用いた。献立に従って5食分を試作した。管理栄養士養成課程に在籍する5名の学生が,保育所児童が摂取するという視点から検食を行った。食物等の重量を加減する必要があった場合には試作を重ね,最終献立を作成するとともに給与栄養量6)の再算定を行った。献立作成に用いた食物には,米粉は小麦グルテン