ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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概要

神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 50 -食物アレルギー児のための鶏卵,牛乳・乳製品,小麦を使用しない保育所の間食献立法,及び出来上がりの写真は,献立1から献立24として以下のURL(http://www.yg.kobe-wu.ac.jp/doc/29963/)に「鶏卵,牛乳・乳製品,小麦を使用しない24日分の間食献立」として掲載*)している。Ⅳ.考 察鶏卵,牛乳・乳製品,及び小麦を使用しない保育所の間食献立を検討した。その結果,給与栄養目標量と耐容上限量を概ね満たした3-5歳児用の間食献立を4週間(週6日間で24日間)のサイクルメニューとして作成することができた。ビタミンAとビタミンB1については,給与栄養目標量を若干満たすことができなかった。ビタミンAは緑黄色野菜やレバーなどに,ビタミンB1は豚肉や魚類などに多く含まれている。これらの食物は間食の献立に使用するには一般的でないものが多く,結果的に給与栄養目標量を満たすことはできなかったと考えている。しかし,これらの食物は昼食の献立においては取り入れやすいために使用頻度も高く,昼食と間食とを合わせた給食全体として考えた場合には,ビタミンAとビタミンB1の不足には至らないものと推測している。献立作成にあたり,鶏卵,牛乳・乳製品,及び小麦を使用しない場合には,エネルギーやたんぱく質,カルシウムの給与栄養目標量を満たすことは困難であることが事前の栄養計算の段階で明らかとなった。そこで,これらを補うため,調理法を「揚げる」操作に変更する,ゼラチンを使用する,きな粉や豆乳などの大豆製品を使用する,などの献立の見直しを行うことによって,エネルギーやたんぱく質,カルシウムの給与栄養目標量を満たすことができた。しかし,カルシウムを補うために,大豆製品,アーモンド,煮干しなどを多用したことによって,サイクルメニューの中に同じ食物の出現頻度が高くなってしまった。この点に関しては,献立に多くの食物を偏りなく取り入れる工夫が重要であり,今後の検討課題としたい。今回の検討では,間食の給与栄養目標量を満たすことを目標とした。実際には,給食としての昼食と間食とを合わせた献立内容が,給食の給与栄養目標量を満たすように献立作成は行われている。間食献立を作成するにあたっては,今回のように間食の給与栄養目標量を設定した上で献立を検討するのではなく,昼食献立の給与栄養量と使用食物を把握した上で,不足するエネルギー量や栄養素量を間食で補い,偏りのない食物の選択を考慮することが,給食担当者には重要である。従って,今回提案した間食は,あくまでも鶏卵,牛乳・乳製品,小麦を使用せず,且つ間食の給与栄養目標量を概ね満たしたものであるということに留意する必要がある。本研究の限界は以下のようである。第一に,今回作成した間食献立は,種々の文献11-17)を参考にして保育所児童の味覚に合うという観点から作成し,管理栄養士養成課程に在籍する4年生にも同様な見地からの検食を依頼した。その結果,今回の間食は児童にとって概ね好ましいと感じるであろうとの評価を得た。しかし,真に児童が好んで摂食する味かどうかは不明である。味付けのみならず分量などについてのより適切な評価には,保育所勤務の経験がある栄養士等の協力を得る必要があったと考えている。第二に,今回の間食献立には,使用する食物は日本食品標準成分表2010に掲載されている通常発注が可能なものを使用するとの考えから,特別なアレルギー対応食物は用いなかった。これらを取り入れていれば献立の幅が広がり,栄養量は満たされていた可能性がある。第三に,今回の間食献立の作成では食材費を考慮していない。アレルギー原因食物の代替食物として用いた米粉やアーモンドプードルは小麦粉に比べ高価格であり,食材料費が限られている実際の保育所では,提案した間食の中には実施が困難なものもあると考えている。