ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

ページ
65/92

このページは 神戸女子大学家政学部紀要 第50巻 の電子ブックに掲載されている65ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 61-【背 景】Bifidobacterium 属(ビフィズス菌)はグラム陽性の嫌気性細菌でヒトの健康増進に有益な菌として注目されている。ゲノム解析は、ビフィズス菌がオリゴ糖や多糖類を分解して増殖するために働く遺伝子クラスターの存在を示したが、利用する糖とそれに対応する酵素の同定や、酵素の機能の解明が待たれている。食物繊維であるガム類は二種類以上の結合様式をもち、ガム類の分解にはより多くの酵素の関与が考えられる。【目 的】ビフィズス菌の細胞内で作用する糖質加水分解酵素を精製して性質を調べ、ビフィズス菌の生理機能の理解を深めると共に、新糖合成や健康増進に有用な物質合成への利用を検討する。【方 法】ガム類を炭素源として、ヒトから分離された数種のビフィズス菌を培養した。糖質加水分解活性の標準測定は4-nitrophenyl (4NP)-グリコシドを基質とした。α-及びβ-ガラクトシドを加水分解する酵素活性は3、5-ジニトロサリチル酸法を、α-グルコシドの加水分解活性はグルコース分析キットを用いて測定した。糖転移活性は薄層クロマトグラフィーにより検出した。酵素の精製はゲル濾過、イオン交換、疎水性クロマトグラフィー、電気泳動で行った。酵素のアミノ酸配列はMALDI-TOF-MSとタンデムMSで分析した。【結 果】調べたガム類のうち、アラビアガムを炭素源としてBifidobacterium longum subsp. longum JCM 7052が増殖することを見い出した。アラビアガムで培養したJCM 7052 株はアラビアガムを分解した。高い比活性を示したα-ガラクトシダーゼ(Gal)、β-Gal、及びα-グルコシダーゼ(Glc)を精製し、新規な性質をもつ酵素を得た。精製した二種のα-Galのうち、アラビアガム培養で誘導されるものをα-GalX、グルコース培養で高い比活性を示したものをα-GalⅠとする。α-GalXはJCM7052株以外のビフィズス菌ロンガム種のゲノムには見られなかった。一方α-GalⅠはaga 遺伝子産物であった。どの酵素もメリビオースとラフィノースのα-1、6-ガラクトシド結合をpH7.5-8.0で加水分解し、また、何れも4NP-α-ガラクトピラノシドから多糖への糖転移活性を示した。アラビアガム培養した菌から精製したβ-Galは乳糖を分解せず、β-1、3-ガラクトシドを加水分解するlacA1遺伝子産物と同定された。4NP-α-ガラクトシドから多糖への糖転移活性を示した。アラビアガム培養した菌から精製した2種類のα-Glcは、何れもマルトースを分解せず、イソマルトースなどのα-1, 6-グルコシド結合を加水分解するオリゴ-1、6-グルコシダーゼと考えられた。また、アルコールにグルコースを転移しエチル-α-D-グルコシドを合成した。アラビアガム分解能をもつビフィズス菌の新規な糖質加水分解酵素才新 直子