ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 68 -これらの結果及びこれと同様の傾向を示したMAPの結果から以下のことが観察された。①コントロール食では2K1C群の血圧はSHAM群に比べて上昇した。②2K1Cではコントロール食群に比べて、昆布単独摂取群では血圧が低下し、血圧上昇抑制効果が見られたが、食酢単独摂取群ではこの効果は見られなかった。③昆布と食酢をそれぞれ飼料と飲水から摂取した群は、昆布単独摂取群よりも血圧上昇抑制効果が強かった。④食酢に浸漬した昆布を摂取した群の方が、昆布と食酢をそれぞれ飼料と飲水から摂取した群よりも強かった。昆布、食酢浸漬昆布から抽出したアルギン酸ナトリウムの分子量分布には、明確な違いを認めることができなかった。【考 察】私たちの先行研究における観察と同様に、2K1Cラットにおいて、昆布と食酢をそれぞれ飼料と飲水から摂取したKV1群では有意な血圧上昇抑制効果が見られたことから、昆布と食酢の同時摂取による血圧上昇抑制効果が、昆布と食酢それぞれの異なる経路の血圧調節機構に対する相乗効果による可能性があるものと考えられた。また、食酢に浸漬した昆布を摂取したKV2群の方が、昆布と食酢をそれぞれ飼料と飲水から摂取したKV1群よりも血圧上昇抑制効果が強かったことから、食酢に浸漬した昆布を摂取させた場合の血圧上昇抑制効果のメカニズムには、昆布と食酢それぞれの異なる経路の血圧調節機構に対する相乗効果に加え、食酢による昆布成分の分解・変性による作用増強が関与している可能性があると考えられた。この昆布成分の分解・変性としては、アルギン酸の低分子化の可能性が高いと考えたため、昆布及び食酢浸漬昆布のアルギン酸ナトリウムの分子量分布を調べた。しかし、本実験からは、アルギン酸の低分子化が確認できず、メカニズムの特定には至らなかった。今後は他の成分についての検討を行うが、アルギン酸の抽出方法に再検討の余地があるとも考えられるため、アルギン酸についても引き続き検討していきたい。【結 論】2K1Cラットに食酢に浸漬した昆布を摂取させると、同量の昆布および食酢をそれぞれ飼料と飲水から摂取した群よりもさらに強い血圧上昇抑制効果が見られた。