ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 72 -近傍にアルカリが濃縮していることを示す。一方、熱力学のGibbs-Duhemの代表的な式(3)より(4)が、統計力学より式(5)が誘導される。?      ?      ?      この式(4)(5)の連立方程式を解けば、Nが導かれ、KBパラメータが求められる。ここでGuはセルロースの溶解自由エネルギーの変化を指し、添字のuはセルロース、1は水、2はアルカリを示す。また、式(5)のVuはセルロースの部分モル体積を示し、密度測定から求められる。V1とV2は、それぞれ水、アルカリの部分モル体積であり、文献値である。次にΔGdissolutionと化学ポテンシャルμは式(6)(7)より求められる(図3)。Fig.4のようにセルロースの溶解度を縦軸にし、水活性を横軸としプロットした直線の傾きから求められる。このうち、水分活性αwは文献3)から求められる(図4)が、セルロースの溶解度Suは実験から求め必要がある。  ?        ?      このように、溶質(セルロース)近傍の過剰溶媒(水)分子数Nu1と、溶質近傍の過剰共溶媒(アルカリ)の分子数Nu2の2つが未知数であり、次に示す実験より、式(6)ΔGdissolution=?RTlnSuを求めるための飽和溶解度(Su)と、式(5)Vu=V1・Nu1?V2・Nu2 のセルロースの部分モル体積(Vu)を求めるために、実験より密度を明らかにすることにより、KBパラメータΓij を導き出しすことが、すなわち、溶媒の局在化の確認となる。【実 験】(1) 試料の調整:再現性が得られ、履歴が確認できる試料を得るため、まずは、磯貝臼田法(85%リン酸による加水分解法)4)により、低分子量セルロース(重合度15)を調整した。次に、アルカリによる重合度の低下を阻止するため、文献5)を参考に水素化ホウ素ナトリウムにより還元し、還元末端をアルコール置換した。そして、還元末端の残留の可否を定量するため、文献6)を参考に、フェリシアン化カリウムで還元後、フェナントロリンで発色させ、吸光度(505nm)から還元末端がアルコールに置換されたことを確認した。(2) 再析出法による飽和溶解度の測定:過飽和のセルロース試料と1、1.5、2molの水酸化ナトリウム水溶液を用いて、5日間25℃で攪拌しながら溶解し、上澄みを中和・洗浄・凍結乾燥後、重量から飽和溶解度を求めた。(3) 二次元法の係数の算出:0、0.5、1、1.5、2%のセルロース試料を1、1.5、2、2.5、3molの水酸化ナトリウム水溶液で5日間25℃で溶解し、溶液の密度(Anton Paar DMA4500M)と屈折率(Anton Paar Abbemet 350)からの2次元の検量線により係数を求めた。(4) 二次元法による飽和溶解度測定:過飽和のセルロース試料を0.5、1、1.5、2、2.5、3molの水酸化ナトリウム水溶液を5日間25℃で適宜撹拌しながら溶解し、遠心分離後、上澄みを回収し、溶液の密度と屈折率を測定し、(3)の係数を用いて飽和溶解度を算出した。【結果と考察】まず、再析出法による飽和溶解度の測定について、水酸化ナトリウム水溶液1molの溶解度は、0.56%、1.5molの溶図4 水分活性αw:文献値