ブックタイトル神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

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神戸女子大学家政学部紀要 第50巻

- 73 -解度は、2.99%、2molの溶解度は、6.74%であった。次に、濃度既知の調整した低分子量セルロースと水酸化ナトリウム水溶液から得られた密度(ρ)と屈折率(n)からの係数より、下記の連立方程式を導きだした。ρ =(?10-4 × CNaOH +0.0036) × Ccellulose +0.0403 × CNaOH +0.9985、n=(0.0014) × Ccellulose +0.0096 × CNaOH +1.333この式を用いた二次元法による飽和溶解度は、水酸化ナトリウム1molで1.69%、1.5molで5.77%、2molで7.84%、2.5molで7.95%、3molで5.89%と、2.5molを最大として、溶解度は下がった。この二次元法の導入は従来法と比較して、ハンドリングの誤差や実施過程での流出を最小限に留め、わずか500μlと少量、かつ簡便、スピーディーで、正確なセルロース濃度と水酸化ナトリウム濃度が求められるようになった。一方、密度測定の結果より、セルロースの水酸化ナトリウム水溶液中での部分モル体積Vu(mL/mol)を求めた。これを基にKBパラメータ、Γij を計算したところ、Nu1の溶質近傍の過剰溶媒(水)の分子数(Γu1)は ? 155.9ml/molで、水酸化ナトリウム(Γu2)は?41.1ml/molであった。これらは、セルロース分子の排除体積(156.2ml/mol)を含む値であり、これを補正すると、水の分子数(Γu1)の値は0.3ml/molと、ほぼゼロと言ってよく、全体の平均であるバルクと大差はないが、水酸化ナトリウム(Γu2)の場合は、115.0ml/molと大きく正の値となり、水酸化ナトリウムはセルロース近傍に濃縮(局在化)していることが判明した。これらの結果から、水酸化ナトリウムがセルロースに強く溶媒和し、セルロースが溶解したことが推測される。これは、セルロースの水酸化ナトリウムへの溶解が、低温溶解の発熱反応であることを合理的に説明できる。【文 献】1) Miyamoto, H., Schnupf, U., Ueda, K., Yamane, C. (2015): Nordic Pulp & paper Research Journal,Vol.30, no (1), 67-77. ,2) Shimizu, S.,et.al. (2013): Phys.Chem.Chem.Phys., 15, 20625-20632. ,3) Robinson and Stokes, Trans. Faraday Soc. 1949, 45, 612-624. ,4) Isogai, A., Usuda, M. (1991): Mokuzai Gakkaishi, 37(4), 339. ,5) Sakamoto, R., Arai, M., Murano, S. (1989): Agric.Biol.Chem., 53, 1407-1409. ,6) F. E. Prado., J. A. Gonzalez., C. Boero, A. R. Sampietro. (1998): Phytochemical analysis, vol. 9, 58-63