神戸女子大学

Course


論攷 第68巻

種類 題名 PDFファイル
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<原著>
保育者養成段階におけるキャリア形成支援-保育専攻学生の保育者効力感とレジリエンスの関連-

川村 高弘・堀 千代・中尾 豊喜

要旨

少子高齢化が進み、社会構造が大きく変化するなか、量と質の両面から子どもの育ちと子育てを社会全体で支える「子ども・子育て支援新制度」が2015年に施行された。それに伴い、保育・教育に関わる議論がこれまで以上に活発となり、保育者に対する社会的な要請は高度化・多様化している。保育者が質の高い保育を展開していくためには、高度な保育技術を身につけ、様々な状況に柔軟に対応し、専門職としてのキャリアを形成していかなければならない。そのためには保育者効力感とレジリエンスが高い必要があるのではないか。 本研究では保育専攻学生を対象に質問紙調査を実施し、保育者効力感とレジリエンスの関連を検討した。分析の結果、レジリエンスの構成要素である「I AM」、「IHAVE」、「I CAN」、と保育者効力感の「肯定的効力感」の間に有意な関連が示された。また、学生が自己課題と捉えている事柄については、①子どもへの対応、②専門的知識、③保育技術、④コミュニケーション能力、⑤人前での活動、⑥実習関係、⑦国語力、⑧生活・健康・態度及び性格面といった8 種類が存在し、学年によって自己課題の種類に違いがないことが明らかになった。


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<原著>
イギリスの就学前・初等音楽教育における音楽の諸要素を軸とした指導法-EYFS2021とMNC に基づいた教科書分析-

小松原 祥子

要旨

本稿では、イギリスの乳幼児期基礎段階(Early Years Foundation Stage=EYFS)2021年版の「表現芸術とデザイン」、及びカリキュラム・ガイダンス(2021)における音楽的発達と援助の観点、音楽科ナショナル・カリキュラム(Music in theNational Curriculum =MNC)2013年告示版に基づき、音楽の諸要素にまつわる活動を中心に、就学前から初等学校低学年キーステージ(KS)1( 5 ‒ 7 歳)の音楽教科書の内容でどのように展開させる見通しがあるかを明らかにすることを目的とした。その結果、4 歳から初等学校KS 1 の歌唱活動においてピッチマッチの訓練を行う観点があり、そのために遊びの中で音楽の諸要素を意識する活動が行われていること、音楽の諸要素と身体表現を結び付けた活動が「聴取」の力と組み合わせて設定されているといった特徴が明らかになった。


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<原著>
幼児教育におけるギター伴奏による支援の体験構造分析-「こいのぼり」の歌唱支援事例より-

小松原 祥子・西山 隆子

要旨

本研究の目的は、幼児教育におけるギター伴奏による支援を行う保育者の実践を構造的に把握し、子どもの育ちを踏まえた保育者の歌唱支援の実践力向上の方途を析出することである。研究方法としては、兵庫県内のA 幼稚園のギター経験豊富なA 教諭を対象とし、観察事例とインタビューデータを、現象学における「外的知覚」で捉え、ギター伴奏による歌唱支援の機能面へのアプローチを行った。その結果、チューニング・前奏・歌い方・歌詞の先取り・サビ・後奏・教育的タクトといった支援の方法が析出され、

  • ①保育者の経験豊かなギターによる伴奏は教師と子ども達の「互いの声が聴こえる」構造により、最初に歌詞をよく聴く、聴こえる、ということが成り立つ、
  • ②保育者は子どもが歌詞の意味に気づいた際に子どもたちの生活に関わらせて広げていくための歌詞研究を行う必要がある
といった示唆が得られた。


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<資料>
造形表現作品の野外展示と鑑賞活動-保育者を目指す学生の鑑賞活動実践と具体美術の野外作品展からの作用-

辻田 美和

要旨

保育者を目指す大学生の多くは作品展示の実践経験が少なく、特に野外作品展示においては未経験である。そのため、画用紙に描かれた作品を室内の壁面に整然と並べて展示するという固定されたイメージを持っている。その固定観念を刺激して発想の転換を促すことを目指して、学生にとっても身近な地元地域で開催された具体美術の野外作品展示事例と、幼稚園での野外作品展示事例を参照し、その影響に学生自身の感性を加えた野外作品展示の実践に取り組んだ。また展示活動から育まれる人と人とのコミュニケーションや繋がりなどの作用について、授業実践を通した考察をおこなった。


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<資料>
介護老人保健施設における高齢者の食事摂取状況

西(西岡) 奈保・田中 紀子・平野 直美

要旨

高齢者の低栄養問題について、喫食率の調査から検討した。対象者は兵庫県神戸市内の介護老人保健施設に入所する経口摂取が可能な80歳以上の高齢者33名である。施設で提供されている食事である朝食、昼食、夕食、間食の3 日間の食事摂取状況を調査し、80歳代と90歳以上における年齢階級ごとの食事摂取量と喫食率を調べた。喫食率はあらかじめ提供された食事量から残食量を差し引いて摂取量を求めて計算した。90歳以上の体重は80歳代よりも有意に低く、BMI でも同様の傾向がみられた(BMI,80歳代:20.8;90歳以上:18.5)。BMI <18.5の者は80歳代で33.3%、90歳以上で46.7%であった。全体の平均喫食率は88.8 ± 12.1%であり、有意ではないが、80歳代に比べて90歳以上で低かった。料理区分ごとの喫食率では、間食を除く料理区分で80歳代よりも90歳以上の喫食率が低くなっており、特に主菜の喫食率は90歳以上では79.4%、80歳代は93.4%であり、有意に低かった。また、両群ともに汁物の喫食率が他の食事区分の中で最も低かった。


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