2025.07.03 心理学科
心理学では目に見えない「心」を扱うことから、心の研究においてはデータに根差して考えることが重要です。データ収集の方法には、実験法、調査法、観察法、面接法(インタビュー調査)などがあり、2回生前期の「心理学研究法」の授業では、各研究法の特徴について学んでいきます。授業の後半では、「研究法の実際」として、「キャリア」に関するテーマを各グループで設定し、インタビュー調査の計画立案・実施・分析・レポート執筆を行っています。
インタビュー調査の計画立案にあたっては、まずリサーチクエスチョン(研究で明らかにしたい問い)を設定します。今年度は「女性はどのように働き方を選択しているのか」「出産や育児は女性のキャリアや人生にどのような影響を与えるのか」「転職経験のある女性はどのようにキャリア形成をしてきたか」…といったリサーチクエスチョンが立てられました。各グループのリサーチクエスチョンに沿って、ご家族やバイト先の方、心理学科の先生や先輩方…といった人生の先輩にインタビュー調査を行いました。研究では協力者の人権を守ること(倫理的配慮)も大切です。調査依頼に先立ち、「研究へのご協力のお願い」や「面接承諾書」といった文書を作成し、協力くださる方に丁寧に依頼・説明することを心がけてきました。
そして、6月26日・7月3日の授業では、各自で実施したインタビューデータ(実際には、インタビューデータを書き起こした「逐語録」を分析に用います)を持ち寄り、分析を行いました。得られたデータの内容を1文で要約すること、たくさんのデータから同じような内容を集めてグループ化すること、そしてリサーチクエスチョンに応えられるような図を作成すること…といった数々の難しさを実感しつつ、各グループ協力して分析を行い、レポート執筆に取り組んでいます。
今回の授業で作成したレポートのうち、優秀なレポートはオープンキャンパスでも紹介する予定です。リサーチクエスチョンに対してどのような結果が得られたのか、ぜひオープンキャンパスでご覧ください。この授業を通して、インタビュー調査の面白さと奥深さを感じてもらえればと思っています。