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古典芸能研究センターは、行吉学園発祥の地である三宮キャンパス(神戸市中央区)にあります。
能楽資料の橘文庫、民俗芸能資料の喜多文庫をはじめ、古典芸能や民俗芸能に関する書籍・資料を幅広く備えた研究施設です。芸能に関連する様々な分野の資料を収集しており、個別の分野はもちろん、より総合的な調査・研究の拠点となっています。
なお、所蔵する資料は、学生・社会人を問わずどなたにもご利用いただけます。

最新情報

最終更新日:2018年7月2日

7月の資料

古典芸能研究センター所蔵の様々な資料の中から、毎月1点紹介します。

『謡外題揃』
(上:表紙 下:初丁表)
資料画像
伊藤正義文庫蔵
『謡外題揃』
刊 小型横本 1冊

 本資料は、無刊記、内題なし、墨付12丁。内組100番、外組100番に30番を加え、さらに「天明新十番」を足した総数240番の観世流の曲名を、1丁に20曲ずつ列記する。内組・外組は、江戸期に最もポピュラーだった組合せである(内組Fの後組+外組e・f。記号は『鴻山文庫本の研究』に拠る)。
 ところで、この資料は、同じ書名『謡外題揃』で体裁のよく似た別書2種が知られている。それは天保11年の山本長兵衛刊と明治12年檜刊で、内容は、冒頭の「神歌」に続き内組110番・外組62番・別能28番の計200番を異なる組合せで記す。天保11年、山本長兵衛は、正徳6年刊行の内組110番(織部百十番)に対応する外組62番・別能28番の謡本を発売、この新たな組合せが登場した(内組Mと外組k・l)。この折に、山本版『外題揃』は刊行された。一方、檜版は、山長版の覆刻ながら、冒頭に明治の新曲を4曲追加(刊行済みのものだけか)、各曲の上に季節(月)を付すなどの改訂を加えている。こちらは、檜が明治になって初めての揃本(明治版)を売り出した際に刊行されたものらしい。ちなみに、この200番の組合せは、昭和初期まで続いた。
 さて本資料である。この組合せの『外題揃』は、江戸時代にあっても不思議ではない。実際に、宝暦13年山本長兵衛刊の小謡本(鴻山文庫蔵『小謡枕本』)は「外題揃」を併載しており、この組合せ(内百番謡・外百番謡・外三十番謡)と、「織部謡百十番」も含まれている。本資料は、この内外230番に、天明新十番(天明4年山本長兵衛刊謡本2冊の10曲)を加えて簡便な1冊の本としたものであろう。  しかし、疑問は残る。本資料は明治版と思われること(古版あるか未詳)、さらに、檜書店旧蔵板木のなかに、この板木も含まれていることである。古い組合せの『外題揃』に対する需要も皆無ではなかったのだろうか。

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