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沿革

古典芸能研究センターの前身は、神戸女子大学へ寄贈された故橘豊秋氏(大阪能楽観賞会事務局長)の蔵書をもとに開設した「能楽資料室(橘文庫)」です。寄贈の経緯や能楽資料室開室準備の状況は、初代センター長伊藤正義(本学名誉教授)によって、大阪能楽観賞会機関誌『かんのう』(平成6年8月号)に詳しく書かれています。

神戸女子大学 能楽資料室(橘文庫)開設について

元大阪能楽観賞会事務局長の故橘豊秋氏は、宝生流を修めて自ら能を演じ、能面を打つなど、終生能を愛し続ける一方、中世文学会・芸能史研究会などの学会に所属して能楽研究に力をそそがれ、能楽関係図書を幅広く収集されて、関西における能楽研究所の設立を念願されていました。

大阪能楽観賞会の事務室は、橘氏の提供による図書館ともなっていて、会員と否とを問わず、人々のために開放されていたことは、ご存じの方も多いと思いますが、それも能の啓蒙・普及と、研究の充実を実現したいという、氏の心ざしの一端でありました。

不幸にして、その心ざしは、氏の早世によって頓挫してしまいましたが、御夫君の遺志を何とかして生かしたいと望んでおられた弘子夫人は、この度そのすべてを神戸女子大学へ寄贈され、大学は図書館で受け入れるとともに、大学院文学研究棟内に能楽資料室(橘文庫)を設立し、大学内外のすべての人々に利用をはかることで、寄贈の主旨に応えることになりました。また、大阪能楽観賞会の解散に伴い、その資料をも併せて、記録を永く留めたいと考えています。整理が済み次第開室の予定で、その節にはあらためて利用の方法などお知らせしたいと考えていますが、とりあえず橘文庫設置の経緯をご報告するとともに、橘弘子氏はじめ、関係の皆様方に深甚の敬意と感謝を捧げる次第です。

神戸女子大学(神戸市須磨区東須磨青山二ノ一)は、須磨の高台に位置し、JRまたは山陽電鉄(阪急・阪神も乗り入れ)の須磨駅からは、バスで十分、タクシーで五分の眺望のよい所です。謡曲の古跡も多く、京都・大阪からも交通の便はよいので、ぜひ有効に利用して下さるよう願っています。 (『かんのう』平成6年8月号)

平成7年、橘文庫に他の能楽関連資料を併せ、大学院文学研究棟から大学図書館に移動し、「能楽資料室」として開室しました。同年秋のコスモス祭では、その開室を記念した「能楽資料展」を開催しています。

更に、平成12年4月、能楽資料室の隣室を、平成4年本学に寄贈された喜多文庫の整理公開を目的に「民俗芸能資料室」として開室しました。併せて、この間に大学図書館が所蔵する森修文庫の和書の整理とインターネット上での目録公開に向けての整備も行っています。平成12年秋のコスモス祭では国文学研究室との共催で、「近世演劇展―森修文庫を中心に」を開催しました。

平成13年3月、大学院の昼夜開講制とそれに伴う教育センター(三宮キャンパス)の利用が提案され、大学院昼夜開講制の実施と共に、従来の能楽資料室・民俗芸能資料室を発展的に統合して「古典芸能研究センター」を置くことが決定されました。

同年4月、教育センター2Fに古典芸能研究センターが開設、同年10月には大学院昼夜開講制実施・古典芸能研究センター開設・現代詩文庫開設記念行事として「文化の世紀」と題する講演会が3日間にわたって行われました。古典芸能研究センターではこの講演会に併せて、稀書展示や民俗芸能関連の写真展を開催しました。

古典芸能研究センター設立までのあゆみ

平成6年3月橘文庫受贈
能楽資料室(橘文庫)を大学院文学研究棟(D館313)に設置
平成7年1月17日阪神淡路大震災
平成7年橘文庫に他の能楽関連資料を併せ、大学院文学研究棟から大学図書館4Fスタディルームbに移動、能楽資料室開室
平成7年
10月28・29日
第27回コスモス祭で「能楽資料室開室記念 能楽資料展」開催
平成10年4月能楽資料室に非常勤職員1名着任、それまで不定期であった開室を週3日定期日とした
平成11年4月非常勤研究員1名着任、開室日を週4日に変更
平成11年4月私立大学等経常費補助金特別補助「特色ある教育研究の推進」へ教育研究課題「古典芸能データベースの構築と情報発信」を申請、受理(〜15年3月)
平成12年4月大学図書館4Fスタディルームcに民俗芸能資料室設置、開室日を週5日に変更
平成12年7月1日喜多文庫民俗芸能資料データベース公開、同目録完成
平成12年10月1日吉田文庫受贈
平成12年
11月18・19日
第32回コスモス祭で「近世演劇展―森修文庫を中心に」開催
平成13年
2月15〜28日
教育センター(三宮キャンパス)で「写真展 阪神・兵庫の祭礼行事」開催
平成13年4月教育センター(三宮キャンパス)に古典芸能研究センターをオープン

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