(イメージ画像)

古典芸能研究センターは、行吉学園発祥の地である三宮キャンパス(神戸市中央区)にあります。
能楽資料の橘文庫、民俗芸能資料の喜多文庫をはじめ、古典芸能や民俗芸能に関する書籍・資料を幅広く備えた研究施設です。芸能に関連する様々な分野の資料を収集しており、個別の分野はもちろん、より総合的な調査・研究の拠点となっています。
なお、所蔵する資料は、学生・社会人を問わずどなたにもご利用いただけます。

最新情報

最終更新日:2019年11月15日

11月の資料

古典芸能研究センター所蔵の様々な資料の中から、毎月1点紹介します。

『狂言記』下巻「なすの与一」
左:挿絵(20丁表)        右:冒頭部分(9丁表)
資料画像

伊藤正義文庫 『狂言記』
半紙本 二巻5冊
寛文五年三月 板木源左衛門刊

 『狂言記』は、江戸時代に版本として市販された狂言台本。最初の『狂言記』(正篇)は万治三年(1660)刊で、続いて『狂言記外五十番』『続狂言記』『狂言記拾遺』と各50曲、計200番が公刊された。これらはいずれも「絵入」と頭書し、舞台図挿絵を多数掲載するのを特色とする。詞章は既存の狂言三流のものとは異なり、上方で活動していた町方群小狂言流派の台本によったものと推測されている。
 本書は、万治三年版『狂言記』(正篇)51番から11番を抄出して上下2冊本にしたてた寛文二年版を、5冊の分冊形式で出版した改刻本(丁数は上下巻2冊時のまま)。所収曲11番の選定基準は未詳ながら、本曲「那須与一」と「七騎落」のやや特殊な一人語りの狂言が2番含まれるほか、「文蔵」にも軍記の語リが入っている点は注目される。巻頭に「烏帽子折」を据えるなど、武家好みの狂言が多い印象を受ける。台本だけで筋の面白さを想像できるような曲が多いのは、読み物としての狂言ということに配慮したためか。
 本文は万治版に拠るが、用字・仮名遣いのほか若干の相違が見られる。しかしながら、最も注目されるのは挿絵の違いである。本曲「那須与一」でも、別掲のように、万治版の挿絵では野郎頭の登場人物が、寛文版では若衆風俗に変わっている。また、見所の観客は減少し、人物の顔の変化や風俗上の当世化も見える。万治三年から寛文五年までわずか5年ながら、師宣風の絵が当世風に変えられていることのである。

当サイトのデータについて

神戸女子大学古典芸能研究センターが公開しているすべてのホームページおよびそこに含まれる画像データ・テキストデータ等は、神戸女子大学が著作権を有しており、その扱いは日本の著作権法に従うものとします。これらのデータを、法律で認められた範囲をこえて、著作権所有者に無断で複製・転載・転用することは禁止します。

ページのトップに戻る

学校法人行吉学園

(C) 2008 YUKIYOSHI INSTITUTE. All Right Reserved.