
古典芸能研究センターは、行吉学園発祥の地である三宮キャンパス(神戸市中央区)にあります。
能楽資料の橘文庫、民俗芸能資料の喜多文庫をはじめ、古典芸能や民俗芸能に関する書籍・資料を幅広く備えた研究施設です。芸能に関連する様々な分野の資料を収集しており、個別の分野はもちろん、より総合的な調査・研究の拠点となっています。
なお、所蔵する資料は、学生・社会人を問わずどなたにもご利用いただけます。
感染予防・拡散防止のため、ご協力をお願いします
・発熱、咳、喉の痛み、ひどい倦怠感など、普段とは違う症状がある場合は、入室をお控えください。
・原則、マスクの着用と手指のアルコール消毒は個人の判断となります。ただし、基礎疾患をお持ちの方はマスク着用を推奨します。
・咳エチケットにご協力をお願いいたします。
最新情報
- 2025年2-3月の開室日をアップしました。
- 2025年1月8日(水)~2月21日(金)、展示室において「翁・千歳・三番叟 ―
寿 ぎの舞―」を行っています。
最終更新日:2025年2月4日
2月の資料
古典芸能研究センター所蔵の様々な資料の中から、毎月1点紹介します。
![]() | 志水文庫蔵 〔嘉永四年三月堺新地北芝居辻番付〕 刊 一枚摺 1枚 一瓢亭芳信(画) 嘉永4年(1851) 嘉永4年3月、堺の劇場、新地北芝居の辻番付。辻番付とは、興行初日前に、宣伝のために街角など人々集まる場所に貼り出されたり、贔屓先に配られたりする、いわば今日のポスターにあたる刷り物をいう。 本資料は、上半分が三番叟の図(面を着けず、鈴を持つ)で、下半分に口上が記されている。口上では、新舞台を新調したので、その舞台開きをすることにした旨をいう。さらに、その節は「仮名手本忠臣蔵」の大序から敵討までを演じて欲しいとあるご贔屓からのリクエストがあったので、それに応じる旨が述べられている。ここにお披露目演目は「新矢倉(ぶたいびらき)富人形三番叟(ちよのわざをぎ)」とするのは、舞台開きのお祝いに「寿式三番叟(寿式三)」を出すという意。この時の興行で実際には「仮名手本忠臣蔵」(大序~敵討まで)を上演していることが、当興行の役割番付からわかる。名代は熊取屋嘉助, 座本中村富之丞、「寿式三」は翁が中村明尾、千歳が市川扇升、三番叟が中村富十郎という顔ぶれで当日始めに上演された。 二代目中村富十郎(1786―1855)は、文政から天保にかけて上方で絶大なる人気のあった女形で、俗に「難波の太夫」とよばれた人物。天保の改革で奢侈の暮らしがとがめられて天保14年(1843)に摂津河内和泉の三ヵ国追放となり、堺に移り住んだ。その後、舞台に復帰した富十郎は女形ながらも座頭を勤め、京都や江戸の舞台へも赴いて「堺の太夫」として活躍し、堺で歿した。 上半分の絵は、大坂の浮世絵師であった一瓢亭(一瓢斎(いっぴょうさい))芳信(よしのぶ)画。歌川国芳の門人といわれるが未詳。作画期は天保から弘化の頃にかけてとされ、作は絵ビラや役者絵が残る。 |
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